角川文庫「バリー・リンドン/ウィリアム・メイクピース・サッカレー著」(原作小説)

Category : スタンリー・キューブリックの本/書籍・アプリ
最近は暮れも押し詰まり何かと慌ただしく、また、そんな中にあってなぜか今年一番というほど連日映画を観まくっております。皆様は如何お過ごしでしょうか。こうも更新が滞ると、このブログも終わってしまうのかと思われそうですが、、、残念。この粘着質な性格により、幾分も情熱が霞んでいないことをここに宣言しておきます。少なくとも所有するキューブリックグッズを全てUPするまで終わりませんので、松岡修造風に申せば「まだまだ終わらないぞぉ!!」といった趣きです。今後ともよろしくお願い致します。

さて、戯言は置いておきまして、
IMG_2173.jpg
今回はスタンリー・キューブリック監督作品「バリー・リンドン(1975年)」の原作小説、ウィリアム・メイクピース・サッカレー著「バリー・リンドン」をご紹介。元はサッカレーにより1843年(!)に執筆され、1844年に連載小説として雑誌1~12月号に掲載されていたもの。同年、かなりの修正が加えられ発刊したとされています。この本、日本ではなかなかお目にかかれませんが、100年以上の時を経て1976年7月=日本での映画公開にあわせて1976年6月に角川文庫より唯一の翻訳本が出版されました。実は小説「シャイニング」でおなじみ深町眞理子氏による翻訳。初版のみで現在は絶版、未だAmazonにも登録がないんですよね…。
IMG_2157.jpg IMG_2153.jpg
わたくしは以前ネットで発見して即入手。昭和51年に発刊された本ですので実際とてもヤケ・黄ばみが目立ちます。普通の文庫本サイズで518ページ、定価460円。表紙には映画から引用したイラストが用いられ、浅いエメラルドグリーン色の帯には映画公開の煽り&スチールが掲載されています。
IMG_2162.jpg IMG_2161.jpg

バリーの完全一人称による貴族的な回りくどい語り部が特徴で、読み始めこそ面食らいますが、気付けばこの皮肉屋の狂言者に段々と魅了されてしまう一編。映画とは随所に違いのある登場人物たちの活躍(?)や展開も興味深いものです。例の如く作品の中身には触れませんが、読んで一番驚いたのはキューブリックがこれを243ページのシナリオ化⇒監督してリ・イマジネーション作品としてしまっている事実。キューブリックはこの作品のことを「中身を壊さずに小説から映画に移し変えることができるように思われた。」と語っていますが、この再構築術ったら驚愕するしかありません。
まず小説では映画よりもシークエンス数が半端なく多く、物語展開や登場人物の思考も異なります。また、小説で最大の肝である“狂言じみた語り部”は、映画ではむしろバリーを嘲るような客観的冷笑ストーリーへ変換し仕立て直すなど、正に人智を超えた神業―。幾つかのストーリーラインだけを小説に準じ、この小説特有である“謎のノリ”というものは映画でも見事活かされています。これらは「時計じかけのオレンジ」小説⇒映画化のニュアンスに似た感覚かもしれませんが、全くもってそれ以上。読んでいる傍から“これをどうやればあの映画になるのか??”といった、キューブリックの脳みそが超人である所以を痛感しっぱなしでした。

当然そのシナリオ(脚本)も拝読してみたいと思うのですが、こちらの販売はされず。キューブリックはこんなことも語っていました。「わたしの考えるところでは、“映画的な完成度”の高い映画ほど脚本には面白みがない。映画の脚本とは本来読まれることを目的として書かれたものではなく、フィルムの上に実現されるものだ。」・・・と言うことで「バリー・リンドン」撮影時には、小説が撮影台本として使用されたこともあったとか。もう「バリー・リンドン」最強だ。

ってことで久し振りの投稿でした。ご興味がある方はぜひヤフオク~古本屋のネット通販などで探してみては(わたしは出品しておりません、念のため)。てか「バリー」は逸話が多すぎてこれだけでも優に30年分はご飯が平らげられそうです。皆様もお身体などご自愛下さい。
関連記事

模型製作サイト「2001年模型の旅」from日本

Category : スタンリー・キューブリックのグッズ
VIフォローのサイト名表記も粋ですね(*^^羨) そのサイトネーミングからして、恐らくキューブリックファンなら一度は訪れたことがあるのではないのでしょうか、“「2001年宇宙の旅」関連の模型を中心に製作する”という素晴らしきモデルキット製作サイト「2001年模型の旅」さん。
ご紹介させて頂きたい旨お伝えしたところ、快く了承を頂きましたので早速UP。
2001年模型
●<2001年模型の旅:TOP
こちらのサイトでは「2001年宇宙の旅」関連の市販キットを製作&レポートされており、これまでにムーンバスやエアリーズ、ポッドにボーマン船長まで手掛けられています。製作すると言っても単に組み立てるだけでなく—塗ったり削ったり型を抜いたり、時にはプラモデルを用いた改造パーツを組み合わせたり—フォルムや細部に渡るディティールまで目を見張るほどのクオリティで完全再現。電飾をも施す製作過程のレポートはまさに「2001年~」メイキング写真の様相を呈します。
そして先般、ディスカバリー号のモデルキットが遂に竣工! コックピットやポッドベイ内部&ギミックそしてHALまで作り込まれており、船外から内部を望むその様子は「まんまだ!」と叫びたくなるほど。以前のスペースポッド内部(コントロールパネル)も超強烈でしたが、今回もポッドベイ天井&壁面etc、、、モダンに表現するなら“ヤバいクオリティじゃね!?”的な、クオリティです。

せっかくなので実際の映画メイキング画像を少々。比較してもその再現力の高さに唸りますよ。
宇宙服 ポッドベイ2
ディスカバリー号 ポッドベイ
精工な模型作りって資料探しもきっと大変な労力なのではないでしょうか。これからも素晴らしい作品で楽しませていただきながら、こじかも勝手に応援させていただこうと思います。chandler2001さん、完成おめでとうございます&感動ありがとうございました。
関連記事

スタンリー・キューブリックに関するトム・クルーズ&テリー・セメルのロングインタビュー

Category : スタンリー・キューブリックの話題
クリスマスと言えば「アイズ ワイド シャット」、
toy_20121225040903.jpg sttttt.png
と言うことで、ワーナーブラザーズの前会長兼CEOであるテリー・セメル/Terry Semelとご存知トム・クルーズのロングインタビュー(英語記事)。このワーナー前会長こそキューブリックの映画人生を支えた功労者のひとりで、“ワーナーが面倒をみる=才能を最上級に買う”とばかりに映画史へ残るレベルの支援をしていたとされるお方。キューブリックは何年掛かろうが映画製作だけに没頭できたんですね。こんな偉大なふたりが語るわけですから非常に興味深く、そして何よりキューブリック愛の伝わってくるインタビューでした。尚、このインタビューは米・LACMAキューブリック展開幕前に掲出された記事です。
●<テリー・セメル&トム・クルーズ:interviewmagazine.com

話題も多岐に渡りますが、俳優は休むことを望むキューブリックに対しジャック・ニコルソンが出歩いてばかりというエピソードや、スター俳優起用になかなか気が乗らないと語るキューブリックの隣でセメルがトム・クルーズへ電話した件。「バリー・リンドン」や「ブレードランナー」に関するトニー&リドリー・スコット兄弟監督のこと及び両監督をキューブリックが好きだったということ。また、「アイズ ワイド シャット」の17歳未満鑑賞不可/NC−17評価を避けた再編集について、当時のワーナー会長兼CEOと主演トムが揃って語るなど貴重なものではないでしょうか。「彼はNC-17を望んでいなかった」←トムが久々に明言しております。

個人的にはこの辺にグッときました(一部引用)↓
When we were shooting the end, Stanley said, "This is a happy ending." We were in a toy store. He had an amazing sense of humor. And he was a lot of fun to be with.
わたくしは英語が全くわかりませんのであしからず。翻訳システムを使って何とか理解しております。インタビューなので当然口語調でしかも長いため特に時間がかかりました^^; 皆様もよいクリスマスを。
関連記事

スタンリー・キューブリック展に行ってみる

Category : スタンリー・キューブリック展に行ってきた2013 inロサンゼルス(´▽`)ノ
遂にパスポートが出来ましたヽ(´▽`)ノ
sks.jpg IMG_8664.jpg
初渡米にして独り旅、個人手配の海外遠征=スタンリー・キューブリック展行きがいよいよカウントダウン。思い返せば9月、突如「行こう」と決めたあの日から着々ノロノロと準備を進め、気付けば渡航まであと20日間ほど。十数年ぶりに取得したパスポートを手にすると本当に行くんだなって実感が湧いてきました。内心、子どもの様に興奮しております!

実は準備~手配事項はまだまだ残りがたっくさん^^;


BGM/wishing well
[performed by love is all]
関連記事

プロフィール

こじか

Author:こじか
こんにちは。邦画洋画を問わず映画ファンである以上に、スタンリー・キューブリックファンであるこじかです。わたくし自身が極めて神経質なネタバレ嫌いのため、作品への記述・画像にも同様の配慮を図り、映画論評も書かないスタンスで進めます。のんびりポジティブに。その他、好きなものも極たまに登場。よろしくお願いします。

スタンリー・キューブリック

投稿タイトルリスト ( ∞ )

↑「月別」表示のみ古い順から閲覧可↑

test

最新コメント

コメントありがとうございます

こじかの諸々

最新トラックバック

キューブリックLINK

こじかのオールスター

スタンリー・キューブリック
今村昌平
岡本喜八
成瀬巳喜男
増村保造
森田芳光
バスター・キートン
ウディ・アレン
ロバート・アルトマン
ミロシュ・フォアマン
ラース・フォン・トリアー
ジェームズ・キャメロン
ポール・バーホーベン
※何でも観ますが大嗜好はユーモア重視。

POLYSICS
DEVO
Perfume
有頂天
P-MODEL
ヒカシュー
戸川純
沢田研二
キャンディーズ
※ニューウェーブとテクノポップ、歌謡曲が好きです。

千秋
緒川たまき
※以上に千秋好き。

ドリフ
金八
MMA
Nikon FE
※この辺熱くなります。

ゴジラ
※元オタク。

(順不同)