阿久悠/著「清らかな厭世 言葉を失くした日本人へ」

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言わずと知れた昭和歌謡の殿堂、阿久悠。
Wikipedia→<阿久悠:Wiki

氏の著書には、作詞家として歌謡の世界を説いたものから、作家としての小説、エッセイ作品など数多くの書物が存在します。その中で、わたしが手にとった一冊の本をご紹介。

「清らかな厭世 言葉を失くした日本人へ」
Amazon→<清らかな厭世

この本は作詞家としてではなく言葉のプロとして、移ろい変わりゆく文化や世相を様々な視点から随想したものです。自身の作詞物へ記述した箇所は極ほんの僅かで、平たく述べればエッセイというジャンルへ分類される書籍でしょうか。文化や歴史、社会風俗など広義に亘(わた)る記憶の伝承、大人たる者の在り方、子の活き方や躾(しつけ)、そして氏の愛したとされる甲子園野球に至るまでが記されています。昭和の歌謡界で頂点を極め、それを持続し伝説となった偉人の言葉は、氏の名実と共に一語一句入魂された趣きで示され、絶対的な説得力を帯びているよう感じられます。指南書、自己啓発、人生哲学などなど様々な切り口により接触する事ができる本です。
本の構成はすべて2~3行程度のタイトルコピーを経て、見開き2ページずつの読み切り形式。もともと新聞の連載コラム(平成16年4月~平成19年6月)をまとめたものらしく、とても読み進めやすいものです。また、氏が逝去する約2ヶ月前まで連載されたと言う最期の書でもあります。

わたしは氏の全盛期へ立ち会う事のできなかった世代なので、実はかねてからとても疑問がありました。非凡なドラマ性から始まり脈絡なく発展するあの“予測不可能”なフレーズたちです。世の流行り廃りや時代を映したとはいえ、どうしてこんな詞を書けるんだろう? どの思考をどう働かせばこんな芸当ができるんだろう? しかもそれが爆発的に売れるんですから…。
前述したように、この本には作詞物への記述はほとんどありません。この本を読んで直接的にその答えが見えたとも決して言えません。が、その疑問から湧く考察がより深まった実感を得ています。
価値観の多様化とか市場細分化などという事が唱われる今、何故この時代を向かえているのか、何を得て何が変わり何を忘れたのか。そしてこれから何を活かす必要があるのか。それを知り、気付き、考えるきっかけを与えてくれる本です。文字通りの素晴らしい“読物”へ触れ、紙の厚みから本の終わりが伝わってくるとき、読み終えてしまう事を残念に思えたほどでした。
もし機会がございましたら是非。たまにはこのような本もいいかもしれません。

楽曲世界も堪能あれ↓

YouTubeリンク→<時の過ぎゆくままに/沢田研二>

意図せずとも保守的な表現の目立つ投稿になりましたがご勘弁を。深い意味はございません。純粋にお勧めしたい書籍紹介でした。
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